散歩のお供に、チープなショルダーバッグを探しておりました。チェコ軍のショルダーバッグが素敵なチープ品と気付きました。
一流ブランド品とか、たとえば王室御用達とか、
一生モノで高価だけれど作者在銘中は生涯保証とか、
そういうモノがここ数年間でゼンゼン合わなくなって、
愛着も未練もひとまとめにして、全部、ポイッ!
ナゼか特にカバン類が身辺から無くなりました。
ここ数年のチープなモノ選びはやっと身の丈に気づいて、
自分の中のどこかが変わってしまったンでしょうねー。
スッキリしたのですが、ほんの少々、…困ってました。
使っていた「良き品々」が身辺から消えて行きますが、
身の回りにあるモノで消えないのは、ノートだけ、
それ以外の物は自分から流れ去るように消えて行ってます。
もっと変わればノートも要らなくなるンでしょうが、
今のところノートは「思考の外在化」としていつも座右に。
どこへ行くにも、家の中でも、外出するときも、
ノート一冊を片手掴みで持ち歩いています。
外出で両手を使いたいときはノートを脇に挟みます。
散歩の時は、両手を振って、ゆっくりと、
景色を眺めながら歩くと気持ちがいいので、
ノートはズボンのポケットに突っ込んでいます、が、
うーん、ナンダカ、突っ張るなー、お尻まわりが。
なんとか解決してみたい…、良い方向で。
そうだ、チープさが素敵な、軽いショルダーバッグ、
頭陀袋みたいで、でも存在感を主張しないバッグ、
そういうバッグが有れば、そこへノートを入れよう。
ついでに、ペットボトルも入れておけば、
行く道でコクワでも見つけたら少し摘み取って、
バッグの中へボン、散歩がピクニックになりそう。
チェコ軍のショルダーパッグが目につきました。
手に入れたのが、コレです。
デッドストックの新品ですが
アチコチにゴム印が押されていたりして、
生地も経年変化でヨレて、いかにも中古。
寸法は、タテ23×ヨコ28×マチ10cm。
材質は綿で、色はグリーンですが、
光線の具合で茶色にも見えます。
ベルトも綿ですが、薄くてペラペラです。
内容量は、無印良品の週刊誌ノートが入ります。
試しにギュウギュウに詰めたら10冊入りました。
入り口を3センチほど折り込んでフタを閉じます。
折り込んで隙間がないので小さなモノが落ちません。
ふーん、チープなのによく、考えているんだー。
フタは、2ヵ所のボタンで留めています。
紋章入りのボタンを丸ヒモで引っ掛けています。
後期のチェコ軍ショルダーバッグの留めは、
丸ヒモじゃなくて平ヒモになっているようですが、
チープさには変わりはありません。
中を覗いて見ると、底無しのポケットが2つ、
底有りのポケットが1つ、付いていました。
兵士諸君はナニを入れていたのでしょうか。
実際にバッグに入れたいのは、ノート一冊とメモ帳、
それと、お茶を詰めたペッドボトルが1本。
まだゆとり有り、サンドイッチなら2人分入りそう。
底板も補強芯地も入っていないので、クニャクニャ。
自分では自立しませんので、インナーを入れました。
百均の透明な書類ポーチをインナーに加工して、中へ。
思惑通りに、チープで、使いやすそうなショルダーです。
天気良し、気分良し、足の筋肉ムズムズ、さてと…、
散歩です、バッグをたすき掛けにして歩き出しました。
西へ向かって約2km、路上は自分一人の気持ち良さ。
いやーイイですねー、軽くて身にピッタリ寄り添って、
もし知り合いとすれ違っても誰もバッグに注目しません。
チープで、主張しないショルダーバッグ、コレですよ。
暮れなずむ夕日の中を、ユックリと歩いていると…、
クルマが追いついて窓を開けて知り合いが声を掛けます、
「なにトボトボ歩いているの、頭陀袋なんか下げて、
行き倒れンといてネ…、いいからクルマに乗んなヨ」
深くお辞儀をして謝絶して、立ち去るクルマに合掌。
うーん、バッグの中に、六文銭も入れておくかー。
それとも今様に相応の500円玉を入れておくかー。
想いは、西の空へと、飛んで行く。
また聞きであやふやだけど、戦闘機のパイロットは、
万が一に備えて500円玉をポケットに入れている、とか。
アレは地上を歩いて生還するためのおカネと聞いたけど…。
それとも…、三途の川の、渡し賃?
そうだ、この事を、ノートに書いておこう。
チープなバッグから安い週刊誌ノートをパッと取り出して、
ササッと「6文銭=約500円」と書き留める。
いいねー、
チェコ軍のショルダーバッグ、
♪ ジャン、ジャン!