犬の頭そっくりの「犬釘」を、まだ日本で作っていました。
ハイキングに行って、犬釘を拾ってきました。
すでにレールは撤去され、犬釘は置き去りでした。
赤サビて草に埋もれて、流れる時に身を任せていました。
立ち止まって手に取って、なんだか身につまされるなー。
拾ってきたのは、この犬釘です。
汚れを洗い流し、金ブラシで擦ってサビを落とし、
背の部分をヤスリで平らに削って座りをよくします。
赤サビが付かないように水溶性ニスを塗りました。
古色いろになって如何にも侘びた感じになりました。
気に入って、文鎮に使っていました。
しぱらく使っていたのですが…、
些細なコトが気になり始めました。
「犬釘」って呼ばれているけど、ゼンゼン犬に似ていない。
人にはコレが犬に見えるんだろうか、自分が変なのかなー。
時々こういう些細なコトが気になると、
ついつい思考がソチラへ流れて困ります。
解決するまで頭から離れてくれません。
犬に似た「犬釘」を探してみたら、有りました。
日本で、今でも、ホントの「犬釘」が作られていました。
ほーらネ、やっぱり有ったんでしょう。
これが、ホントの「犬釘」の出来たてのホヤホヤです。
「これからレール押さえに行きます」という新品です。
「犬釘」って呼んでいた人は、コレを知っていたンだー。
日本に鉄道が敷かれた始めた頃は、この犬釘だったようです。
それがだんだんとカタチを変えて、亀の甲羅型になった…。
ナルホド、知らぬは己ばかり也、と知ってホッとしました。
うーん、どこから見ても、犬に見えるなー。
「犬釘」が犬の頭そっくりで、安心したゾー。
自分の見えているモノが変でなかったと納得して、
文鎮は、ホントの「犬釘」とお役を交替しました。
拾ってきた犬に似てない犬釘は、
引き出しの中で、次の出番まで、
ゆっくりとお休みしてもらいます。
犬の頭そっくりの新品の「犬釘」は、
レールを押さえずに、不満もあるでしょうけど、
開いた本のページを押さえて暮らしてもらいます。
これで「犬釘」の疑問は頭から離れてくれました。
…しかし、次に頭から離れないのはナニかなー、
変なモノに取り憑かれたら、ヤだなー。